なぜウェルビーイング情報技術(IT)が注目されているのか、その理由とは?

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Summary

  • ハードウェアが安価かつ強力になるにつれ、我々の身の回りで小型機器を利用し情報処理、情報通信ができるようになった。そこでIoTというセンサ等から取得したデータを BigData捉え、AIで解析し、現実社会にフィードバックする概念が提唱されている。この概念を個人の健康、幸福感に応用したものが、ウェルビーイング情報技術(IT)である。

  • 現在、市場で大きな割合を占めるものは、人間の意志疎通を支援するものである。また、企業向けには、効率化と顧客とのコミュニケーションを支援する仕組みが大きな市場となっている。これに加えて個人の健康、幸福感に寄与する仕組みが新しい市場として考えられている。

  • 人間としての根本的な目標は幸福の追求である。この点で今までの情報技術(IT)は、知性を低下させ、ストレスを増大させているという批判がある。加えて、情報量は既に人間の処理能力を超えており、新しい目標設定が求められている。戦争や飢餓といった差し迫った課題がない社会で、例えばSDGs(持続可能な開発目標群)のようにバランスの取れた発展が提唱されている。人間の幸福も重要な一部分となる。


技術動向

計算機ハードウェアは技術的発展を続けている。より高性能に、より安価に、より小型になってきている。近年では、一昔前の高性能コンピュータと同等の性能を持つ機器がスマートフォンという形で我々の身の回りに存在するようになった。スマートウォッチ(腕時計型計算機)やスマートグラス(眼鏡型計算機)なども先端技術としてニュースになる日がある。

このようなハードウェアの進歩は、我々の身の回りに、より生活に入り込んだ形で計算機(IT機器)が存在する世界を可能にする。こういった計算環境を Ubiquitous Computing Environment という。偏在する計算機は、我々が生活や仕事をする側で稼働し、我々の人生の支援をしてくれることが考えられる。それは、書類を作る、他の人とコミュニケーションするというのとは違った形になるだろう。メールを送ったり、ショッピングをしたり、SNSを見たりといった活動は現在の計算環境で可能である。従って、偏在する計算機(IT機器)はこれとは違った役割を果たす。

こうした概念は IoT(Internet of Things)と呼ばれることもある。IoTの概念では、センサを搭載した機器からデータが通信網上の計算機に集められ、BigDataとしてAIで解析され、人間社会にフィードバックする。

フィードバックには様々な分野が想定されており、例えば都市工学への応用であるスマートシティ、自動車工学の自動運転などがある。特に、人間の心身の健康を応用分野にしたものがウェルビーイング技術と考えられる。



市場動向

企業向けのアプリケーションとして、発展の初期段階から効率化は大きなテーマであり、それは今でも変わらない。ERP(基幹システム)、販売管理システム、SFA(営業自動化システム)、会計システム、受発注システム。これらのシステムは、人手で行っていた作業を、より短期間で、より低コストで、より正確に実行できる。90年代からの情報通信(IT)技術の発達は、人のコミュニケーションを支援するシステムを多く生み出した。電子メール、インスタントメッセージング、SNS(Social Networking Service)などはその代表例である。これらに加えて、最近では、企業と顧客のコミュニケーションを支援するシステム、例えばECは購買の機会を促す最も直接的な方法であるが、これに加えてSNSやインスタントメッセージングを利用する例も増えている。また、他社との競争優位を考える上で、商品はもとより、システムにおいても付加価値に貢献するシステムが求められている。

これらの流れは今後も継続するものと考えるが、心身の健康も人々の大きな関心事である。前述の通り、ハードウェアの大幅な改善によって、これに寄与するシステムが開発できる環境が整ってきている。市場は常に利回り(投資効率)を求めており、ITの健康、福祉分野への応用もこうした未来が期待される分野となっている。


社会動向

技術動向、市場動向で述べた通り、計算環境自体は応用分野を劇的に増加させており、尚且つそれはが経済活動として成立することで、我々が入手できる情報も圧倒的に増えた。私のところには日々100通以上のメールが届くが、その大部分は虚偽情報を掲載したSPAMと企業が購買を促す内容であり、全てに目を通しているとそれだけで1日が終わってしまう。もはや一つ一つ消すのも手間である。機械の処理能力ではなく、人間の処理能力が限界にきている。

こうした状況は、技術が我々の知性を低下させ、ストレスを増大させているという批判に繋がっている。エンジニアの大部分は人を騒乱させる仕組みではなく、幸福にする仕組みを考えたい。そこで、人を幸福にするシステムとはという問いかけが、ウェルビーイング技術という概念に繋がる。

世界的にみると、第二次世界大戦以降、大きな戦争や飢餓といった身に差し迫る危機から遠ざかっている社会も多く、環境問題のような持続性についての関心が高まっている。国連は 2015年に SDGs(持続可能な開発目標)を採択した。SDGsの中には、平和、飢餓の撲滅と並んで、「良好な健康とウェルビーイング(Good Health and Well-Being)」が掲げられている。


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